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世界のサイン・ウォッチング
エジプト
芸術の破壊者は誰か

 切り立った岩山を背景に建つハトシェエプスト女王葬祭殿の壮麗なたたずまいには圧倒された。この建物には随所にその主としての女王の姿が刻まれているが、顔はすべて削り落とされていた。そうしたのは女王の義理の息子であるトトメス3世である。彼は女王の夫であったトトメス2世の後継として定められていたが、トトメス2世の死に際してまだ幼かったためハトシェプスト王妃が摂政となり、後に女王の位についた。そのことを恨んだトトメス3世は女王の死後、彼女の像をすべて抹殺した。
  次の日、別の神殿を見学したら、刻まれていた王たちの姿がやはりすべて削り落とされていた。ガイド嬢が「これは誰の仕業でしょうか」と質問したら、何人かのツアー客が「トトメス3世」と答えた。真犯人はキリスト教徒だった。エジプト文明が途絶えた後、この神殿に住みついたキリスト教徒は、当時偶像崇拝を禁じられていたため、異教徒であるエジプトの王たちの像をご丁寧にもすべて切除したというわけだ。
  文化、芸術の創造者はときの権力者や宗教者である場合が多いが、この両者はときとして文化、芸術の非情な破壊者にもなる。
  ただし、神殿に刻まれたおびただしい神々の像については祟りを恐れ、キリスト教徒が切除を思いとどまった。それが今となっては救いである。

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