サインで見ると世界はおもしろい 世界サイン紀行 イントロページへ
トップページへ
東京システックのホームページへ 東京システックのページへ
リンク集
サイトマップ
プロフィール ウォッチング 街のマスコット 旅のフォトコレクション 旅のエッセー 本の紹介 メッセージBOX
旅のエッセー
西洋「食」事情けちょんけちょん
[ 1 ] [ 2 ] [ 3 ]

米料理は最低

  ヨーロッパの米料理といえばイタリアのリゾットやパエーリアが有名だし、メインディッシュの付け合せによくだされる。リゾットは結構うまいが付け合せの米は難物だ。

 ヨーロッパの調理人は概して米の炊き方を知らない。ご飯が出たと喜び勇んで口にすると生煮えの芯のあるご飯であることが多い。日本人は米が主食と知っていてか、ウエイターが得意然として運んでくるが、ほとんどの日本人は手をつけない。クロアチアのドブロヴニクでは黒づくめのシックなインテリアの高級レストランで食事したが、出された米の料理を一口食べてがっくり。ガリガリしそうな生米に近い状態なのだ。いくらご飯に飢えているからといってもこれは食えない。仕方がないから混ぜ込んである具だけより分けて食べたが、こんな料理はヨーロッパ人でも容易に食べないのではなかろうか。日本人が足を運ぶレストランならもっと米の炊き方を勉強してほしいものだ。もっともあちらでは日本の短粒米より東南アジアで作っている長粒米のほうが主流だ。ポルトガル人はヨーロッパではめずらしく米をよく食べるし、短粒米も長粒米も自国でかなりの量を生産している。ここでは日本で外米といって嫌われる長粒米より短粒米のほうが安いというから吾が日本人としては面白くない。

幻滅の海鮮料理

  ヨーロッパのホテルやレストランで出される魚料理といえば、ほとんどが衣をつけて揚げたものかソテー風のもので、焼き魚は出ない。生は食する習慣がないから無理にしても、せめて焼いただけの魚を食べさせてくれたらどんなにいいかと思うが、どうしてだろう。私はその理由をひとえに醤油がないせいではないかと思う。焼き魚にソースをかけても美味しくない。ついでに言えば生の魚を食しないのは醤油に加えてわさびがないからではなかろうか。刺身に醤油とわさびは欠かせない。実際、醤油とわさびがなければ刺身は食えない。

  ポルトガルのナザレという漁師町に行ったとき、ここの名物が珍しいことにいわしの炭火焼だった。添乗員が日本から持参した醤油をかけて食べたが、これぞ日本料理、生き返ったような気持ちだった。

  イタリアのツアーで、蟹を食べさせる店に案内してもらったことがある。テーブルに着いたわれわれに渡されたのは木槌とはさみ。まったく包丁の入っていないゆで蟹と格闘することになった。不思議なことにヨーロッパの蟹は日本の蟹のように身と殻がすっぽりとはがれないから面倒だ。手はぐちゃぐちゃ、テーブルは殻の山とあいなった。おしぼりの代わりにティッシュを渡してくれたが、それでは手の汚れはきれいに落ちないから気持ち悪い。おまけに調味料はオリーブ油しかないからまいった。油っぽくてちっとも美味しくないのだ。ヨーロッパで海鮮料理は食べるものではないとつくづく思った。

  しかし考えてみれば、欧米人が新鮮な魚の味を知らないということは日本人にとっては幸いである。世界の漁場を荒らしまわっているのは日本の漁船であり、各国から大量の魚やえびを買い付けているのも日本である。われわれは世界の海の幸を一手に胃袋に詰め込んでいるのだ。ごく安い対価でそんな贅沢三昧ができるのも、日本人だけがその美味しさを味わう舌を持っているからに他ならない。

不思議なヨーロッパ式酒の飲み方

 ヨーロッパでは街歩きの途中一休みしたり、トイレを借りたりするためによくカフェを利用する。居酒屋にも入ったが、ヨーロッパ人の酒の飲み方を観察していて不思議に思うことが多い。日本の場合はつまみを2,3品並べて、どちらかといえば料理を楽しみながら飲むが、あちらではつまみはあってもチーズかハム程度、多くの場合酒だけを飲んでいる。しかもビールの場合、チビリ、チビリと珈琲でも飲むような感じなのだ。日本のように喉を鳴らしてゴクゴクと飲むことをしない。あれではビールの醍醐味は味わえないだろう。日本のようにお互いにお酌しあうという風景も見られない。レストランで出されるのはどこも小瓶で一人一本。オーダーしなければ追加は持ってこない。食事中のビールは水の代用的存在なのかもしれない。そもそもヨーロッパでは小瓶しか売っていない。それでもビールの一人当たりの消費量では日本とは比較にならないくらい多いのは、店では倹約して家で飲むというわけだろうか。

 日本ではビールのうまさは泡にあるという。クリーミーな泡はたしかにうまいし、その泡が中のビールの保護層になる。でもその論理はイギリスでは通用しないらしい。パブでもレストランでもうまい生ビールを飲ませてくれるが、その注ぎ方が面白い。グラスの縁までいっぱいにビールを入れるのだ。そのためにグラスの縁から盛り上がった泡をへら状のものでそぎ落とした後また注ぎ足す。それを2,3回繰り返し、完全に縁まで満杯にする。その徹底ぶりは泡を不要のものとみなしているからなのか、店の計量の正確さを確認させる意味があるのかよくわからない。そんなやり方はほかのヨーロッパ諸国では見たことがないからイギリスだけの習慣のようだ。同じビールでも国が違えば飲み方もかくのごとく違ってくる。

前へ 次へ
旅のエッセーTOPへ
Copyright © 2002-2006 TOKYO SISYTEC CO.,LTD All Rights Reserved. プライバシーポリシー