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ウズベキスタンの旅は道連れ
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 海外旅行では偶然行き合わせた人たちと知り合いになるのも楽しいものだ。
ツアーの同行者は19名。夫婦連れが多い中、男性の単独参加が私を含めて4人。最長老はその1人で78歳の産婦人科の先生だが、長身にシャツもズボンも黄色といういでたちがひときわ異彩を放つ。もう1人、73歳の大阪から来た内科の先生がいたが、海外旅行の常連はそんな医者先生と学校の先生。学校の先生はヒマが在り、医者の先生は金があるからだろう。今回の両先生はとっくに息子に医院を任せ、しょっちゅう出歩いている様子で高齢ながら旅なれた感じ。年のころ30歳前後の女性二人と男性1人の組み合わせのグループがいたが、以前あるツアーで一緒になり、それ以来スケジュールを調整して一緒に旅行するようにしているとのこと。 同行の添乗員Yさんは「皆から山田邦子に似ていると言われます」と自己紹介したが、なるほど顔といい、やや大柄なところといいよく似ている。性格も似ているようで、明るく気さくな女性なので安心した。

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添乗員のYさん(右)とウイジンさん(左)
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 ウズベキスタンの空港でわれわれ一行をにこやかに迎えてくれたのは、これからのバスで巡る6日間の旅をずっと同行してくれる現地ガイドでウイジンさんといううら若い女性。色白で小柄だが胸が大きく目鼻立ちがくっきりしたとびきりの美人。にっこり微笑まれると吸い込まれそうになる。流暢な日本語を話すから始めは日本人か日系二世かとも思ったが、聞けば生粋のウズベク人とのこと。生粋とは言っても昔から民族の出入りが激しい国だからそんな血が入り混じっているのだろう、混血は美人をつくる。これからの旅が一段と楽しくなりそうで期待が弾む。
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   ウイジンさんは学生時代、図書館で生け花の本を見ていたく感銘を受けた。それ以来日本に深い関心をもち、日本語学科に進んだとのこと。ウズベキスタンの首都タシケントの東洋学大学には日本語学科があって大変な人気学科になっているのだ。彼女は卒業後九州の熊本にホームスティというかたちで留学しているから日本語の流暢なのもうなずけるが、ときどき面白い表現が飛び出して笑わせられる。サマルカンドのビビハニム・モスクの屋根が真っ青な釉薬タイルで覆われているのを説明するのに、「屋根はツルです」と言うのには一同爆笑。「それはツルツルでしょう」と教えられて頭を掻いていた。彼女は日本語の二つ重ねの形容詞が苦手のようでピカピカが「ピカです」,フカフカが「フカです」になってしまうから愉快だ。

 認識不足だったが、ウズベキスタンの歴史的建造物の素晴らしさには驚いた。この国の様式というよりはイスラム様式という方が適切だろう。タイルを組み合わせたアラベスク文様も複雑さと多様さにはただただ目を見張るばかり。中にはクレーかモンドリアンを思わせるモダンな文様もあり唖然とした。

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モンドリアンの絵を思わせるタイル文様
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   今回の旅はシルクロード上の古都と遺跡を巡るというものだが、ウズベキスタンの観光産業としての開発はまだこれからというところ。われわれツアー客が泊まれるホテルもごく限られているし、サービスも良くない。なにしろ飛行機2機分、250人近い日本人が一挙に観光地を回るのだから、どこへ行っても日本人だらけ、ホテルは日本人で満員という情況を呈した。こまったのはホテルの受け入れ態勢の不備である。「この国のホテルは予約をとっていても平気でオーバーブッキングするから安心できません」と添乗員が言う。泊まれるかどうかはそのホテルに着いてみるまでわからない。そうとなれば早くホテルに着いて部屋を抑える方が勝ちというわけでやたらに先を急ぐ。

  サマルカンドでは、ここだけは部屋数が足りないので単身者は二人一部屋で願いますということになった。私は内科の先生とウマがあったのでその先生と同室を申し込んだ。ところが黄色ズボンの長老が承知せず、どうしてもくじ引きにしてくれと言って譲らない。たったの四人なのにくじ引きとは異なものながら仕方が無い。この長老はちょっと変ったところがあるようで、3人組の内の女性、Tさん、Yさんの評判が悪い。時々いやらしい冗談を言われるとのことで「変態ジジイ」の称号を拝命していた。くじの結果、なんとこの長老と一緒になってしまった。旅は道連れ、これも縁の内。風評に反して極めて温厚な紳士ぶりであった。翌朝早速Tさん、Yさんが「何もなかった?」と心配そうに聞てきた。産婦人科の先生はスケベというのが世間での定評だが、いい年をした男二人で何かあるわけもないだろう。
そう言う三人組こそ不思議なのだ。

  ある日ふと気づいたのだが、部屋割のとき彼女ら三人で一つの鍵を受け取っている。部屋代を浮かせるためかも知れないが、三人の関係は一体どうなっているのだろうか。しかし、詮索は止めよう。この三人組とは仲良くなって一緒に食事のテーブルを囲むことが多かった。酒のつまみを提供してくれたり、お酌をしてくれたりと何かと面倒見がいい。しかしパパ、パパと呼ばれるのには閉口した。不可解な三人組はそもそも何者なのかと思ったが、だんだん聞いてみると女性二人はともに独身のオフイスレディ、しかもTさんは某製薬会社の社長室長とのことでビックリ。男性も未婚で大阪の建設会社で現場監督をやっている。両手に花とはうらやましい。みんな独身貴族として優雅な人生を楽しんでいるようだ。後日、三人一室の件を確かめたところ、その日のホテルの部屋数が足りなくて、仲間内ということから添乗員に同室を頼まれたとのこと。
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