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旅のエッセー
ネオン煌く砂漠の幻想都市・ドバイ、アブダビの都市とサイン(アラブ首長国連邦・ドバイ)
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4:スケートに興じるドパイの子供たち
ネオンサインの光に飽食して腹が減ったところで、近くにある「ハイアット・リージェンシー・ドバイ」の和食レストランに向かったが、このホテルの入って直ぐの1階がアイススケート場になっていてビックリ。夏は50度にもなろうというアラブでまさかスケート場にお目にかかろうとは思わなかった。 民族衣装をまとった少年、少女がスケート靴を履いて滑る光景は奇観であった。これも豊かな電力供給の賜物。
  この国の電力は当然ながら全て石油をエネルギーとする火力発電でまかなわれ、その余力で海水を蒸留することによって潤沢な真水を供給している。街のあちこちには砂漠の国における富を象徴するものとして様々なデザインの噴水が設けられ、盛大に水を吹き上げていた。街路樹も芝生も砂漠の国に在っては高価な水の供給あっての豊かさの象徴なのだ。植生を保つために土中には給水のためのパイプが敷き詰められ、砂の上に盛る粘土層さえが遠く海外から輸入されてくる。

5:バージュ・アル・アラブの内部空間
   この国の富の一端を象徴するものとして、私が「THE GOLD」紹介記事で魅せられたホテル、バージュ・アル・アラブがある。このホテルの名称は「アラブの旗」という意味だそうだが建物外観からもそのシンボリック性は際立っている。全室スイートで一泊最低10数万円と聞いては宿泊はあきらめざるを得ず、せめて内部の見物だけでもと思ったわれわれはお昼の食事をここで摂るべく予約した。アラビア湾の海中に人工島を築いて建造したホテルには専用の橋を渡るか、へリコプターによるしか近づくことは出来ない。
6:壁面の巨大水槽
7: レストランからの眺め
ロビーに一歩足を踏み入れただけで、いたるところ燦然と輝く黄金色の装飾と、大勢のスタッフの目に威圧されるような面持ちになる。ロビー正面から2階に伸びるオブジェのテーマはここでも噴水。両脇のエスカレーターに接する壁面が一面の巨大水槽になっていて沢山の熱帯魚が回遊している。 建物最上部に宇宙ステーションのように突出した展望レストラン「アル・ムンタハ」(“究極”という意味)からの眺望はエメラルド色に輝く海上と遠くまで伸びる陸地を見晴るかし絶景そのもの。 ここでは料理よりも、あたかも天空から眺めるかのような雄大な景観と贅を尽くしたインテリアこそ味わうべき対象であることを理解した。ここに泊まり、この風景を満喫するのは王侯貴族かアラブの金持ち連中だけに与えられた特権なのだ。
 食事をしながらこの国の富の意味について考えた。その富の根源である石油の埋蔵量は無限ではない。一説にはもう50年も持たないのではないかとさえ言われている。突如としてアラーの神の天恵によって与えられた石油は再び神の意志によって枯渇する。砂漠の上に咲いた都市というあだ花はその時、あっけなくも消えていく運命にある。きらびやかな装いで魅了する近未来都市は有限な人類の歴史の中でもアッという間の幻覚を見るようなものかも知れない。アラブの住人はそのことにどう思いをめぐらしているのだろうか。
(2001年 8月)
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