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ナスカへの旅(ペルー・ナスカ高原)
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地上絵の謎

  地上絵は地表の砂と小石を脇に寄せて硬い地肌を露出させただけの簡単なものだが、熱風の広大な砂漠でこれだけの仕事をすることは容易なことではないだろう。古代のナスカ人が何ゆえに苦労を重ねこんな地上絵を描いたのか、その真意はいまだに謎であるが、諸説の中でマリア、ライヘやその師となったアメリカの歴史学者P・コソックが唱えた「世界最大のカレンダー」説が最も有名である。太陽の運行と刻まれた直線の方向が一致し、描かれた絵は星座を表したものというのがその解釈であるが、私には納得しかねる点が多い。印された線は無数にありそのうちの1本が夏至の太陽が沈んだ方向と一致しても何ら不思議はない。
  一筆書きの要領で描かれた地上絵は一本のネオン管が形作る模様と共通していて興味深い。何故に一筆書きなのか。何故に交わる線がないのか。そこにこの絵の秘密が隠されているように思われる。
6年前であるがテレピ東京が開局30周年を記念して「蜃気楼の王国」というドキュメント番組を放送した。これは吉代の巨大文明には全て蜃気楼が影響しているというイタリアの自然科学者へルムート・トリブッチの説をテレピ化したものであるが私には実に興味深かった。
  彼の説によるとナスカの地上絵もその例に漏れない。砂漠には蜃気楼がつきものである。ナスカの古代人もこの蜃気楼を見ているはずである。砂漠の住人にとって水は生命の根幹であり、水辺の風景を映し出した蜃気楼は人々に羨望と脅威を抱かせたことだろう。当時の指導者たちがその蜃気楼を見水乞いの儀式を行ったことも容易に推測される。地上絵に描かれた動物や植物は全て水に関係するものばかりであり、この絵の中に砂漠に降りる「天の水」を呼び入れようと祈ったというのがトリブッチの説である。一筆書きの絵模様は必ず端部が閉じられておらず(図1)、その説を裏付けている。更に興味深いのはクモの絵では一方の端部にクサビ状の三角形が添えられていることだ。(図2)彼はそれを、誘い入れた水を逃さなこいための弁と解釈する。トリブッチの著書「蜃気楼文明」を読み、その壮大な論拠を知ると、なるほどとうなずかざるを得ない。しかし、無数の錯綜するラインの目的についてはまだ十分に解き明かされてはいない。
  地球上にはこんな不思議がまだ沢山残されている。だからこそ面白いともいえるのではなかろうか。
図1
図2
トリブッチ著「蜃気楼の王国」(工作社)より

(2000年 8月)

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