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ナスカへの旅(ペルー・ナスカ高原)
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スタンバイ

1:「チップありがとうございます」
  空港で待機していたのは4人乗りのセスナ。操縦士を除けば3人の貸切というわけで、これは好都合。小さい方が小回りがきくし、より地上に接近して飛んでくれそうに思ったからだ。はやる心で機に乗り込んだら、前方計器盤の脇に「チップありがとうございます」とたどたどしい日本語の書かれた紙が貼り付けてある。 これでは強要されたも同然、渡さないわけには行かないだろう。日本語でしか出ていないところを見ると、ここでも日本人が大得意なのだろう。手術する患者をもつ家族がすこしでも丁寧に診てもらいたい一心で謝礼をはずむ心境と同じで手抜きされては大変、ちょっとばかりはずんで渡せば大男の操縦士はニッコリ。

2:「宇宙人」または「宇宙飛行士」
3:「ハチドリ」
4:「サル」
  地上絵の上を飛ぶのは約15分。そこまでの道中に15分を要するが、早くもカメラを手にスタンバイの体勢に入る。電池よし、作動設定よしと、万全である。肝心なときにフイルムが切れては大変と、撮影途中のフイルムも新しいものと入れ替える。眼下には視界の届く限り砂の山また山が連なり、こんな過酷な自然環境の中よくも人間が住んでいたものと感心しきり。ときに干上がった大河の跡のような光景が遠望され、こんな砂漠に河が流れていたとも考えられず不思議に思った。風景はそのうち砂漠の平地に変わるが、その中にパンアメリカン・ハイウェイの一本の線が人為的な唯一の証としてかすかに見え隠れするようになる。

始めに現れた地上絵は「宇宙人」または「宇宙飛行士」と名づけられているもので、砂山の斜面に描かれた子供のイタズラ画きのような、丸い目をした人間の像であった。 ナスカの地上絵は全て一筆書きの要領で交わるところのない1本の線で描かれているのに、これだけは例外的にそうなっておらず、また、斜面に描かれたのもこれ一つである。操縦士が新しい絵が現われるたびに「ク・モ」「サ・ル」「ハ・チ・ド・リ」と大きくカタコトで話し掛け、われわれが確認するまでその上を旋回してから次の絵に移動する。

 心配された風はなく、晴れ上がった空の下、ほとんど白色に近い乾いた砂漠の砂地にそれらの絵ははっきりと見分けることが出来たが、説明されなければそのまま通り過ぎたかもしれない。というのも地表には絵とともに無数の直線が入り乱れて走り、時に車のわだちらしきものも加わるからだ。それは感動的な光景であった。一つ一つのデザインが素晴らしい。描線は簡潔で古代人が描いたとは思えないほど洗練されていている。しかし、絵にジッと見とれているヒマない。
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